9月
04

昨日造形したこのデータ(http://www.thingiverse.com/thing:308335)の下顎を造形した。

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meshmixerで中空に

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少しレジンが抜けるかどうか心配

下顎の方はそもそも全体的に薄い部分が多いからどのぐらい抜けるかちょっと心配だった。特にレジンの抜けではちゃんと流れてくれるかどうか。でも今考えてみると、造形中断面は完全に開いているわけで流れる流れないじゃない事に気がついた。

3Dプリントサービスとかで流れる穴があるないの話は、あちらは吊り下げ式じゃなくて液槽式(?)だからそういったものを気にしなきゃいけない。

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完成

そういえば、余りそれについて書かれている記事がない気がするのでちょっとだけ書いておく。また要望があったら図解付きで書こうと思うのでコメントください。

SLA 光造形法式と一口に言っても、実はその中でもレーザーの照射や造形物の保持方法で2,3種類に分かれている。特にそれらに正式にな名前があるわけではないみたいで、方式の違うというよりメーカーごとのやり方の違いみたいな捉えられ方をしているような感じがする。それぞれに長所短所があって、比べてみると結構面白い。

よくSLAといえば印象的なのは多分液体の中から造形物が出てくるシーンだと思う。DMM.make AKIBAの紹介動画に出てくるこれだ。

これは見れもらえばわかるようにレジンのタンクが下にあり、造形する毎に造形物を下に下げていく。(動画1分27秒ぐらいのところ)

これを僕は勝手に液槽式と言ってる。正式名称あったら教えてください。SLAで造形制度を求めるならこの方式が一番だと思う。既にsolidになっているところの上に造形していくから安定性が非常に高い。後で書く吊り下げ式にあるようなプリンタ底面との綱引きもないから造形物の断面積に安定性が左右されない。

短所はもう見るも明らかでこの量のレジンを投入しなきゃいけないというところだ。仮に150mm角だと3375ccだから3Lちょっと。業務用3Dプリンターのレジンだとどんなに安くても3万/Lだから、これは大事だ。しかもSLAとかと同じでどうしてもレジン内にデブリが出てくるので定期的に全交換しなきゃいけない。

使っている人に聞いた話だと、レジンタンクからこの造形タンクの間のホース内のレジンも定期的にかなりの量を破棄するらしく、それはもうすごいレジン代になるらしい。ただ、繰り返しになるけれどもこれが光造形で圧倒的安定性を持っているのは間違えない。

次がこのForm2と同じ吊り下げ式。吊り下がった状態で造形がされていく。この方式はとにかくコストメリットが大きい。レジンを貯めなくていいからそもそも用意するレジンの量を少なく出来るだけじゃなく、機械として大量レジンをためておくタンクを用意しなくていいから小型化出来る。

一方でもう名前からそうだけれども、吊り下げているから当然不安定だ。とくにSLAの吊り下げは2つの点で不安定になる。

1点目は造形物が吊り下げられながら造形されるから常に鉛直方向下向き、重力に引っ張られながら造形されてしまうというところ。当たり前といえば当たり前だけれども、造形中ずっと下方向に引っ張られながら造形されることになる。これ、影響が内容で実は結構影響がある。一昔前の光造形機で吊り下げ式だと、Z方向が長くなれば長くなるほどどんどんZ方向の寸法誤差が出てきて使い物にならなかった。

2点目は1点目と少し関連していて、レジンが溜まっている底面との固着の問題。吊り下げ式じゃない光造形では造形物の最上部にレーザーを照射する。一方で吊り下げ式は3Dプリンター本体の底面と造形物の間に流れ込んでいるレジンに対して紫外線を照射する。結果として造形物と新しく出来た面が結着すると同時に3Dプリンター本体の底面とも同じように決着してしまう。結果としてこっちの方でも下方向に引っ張られる。その為、吊り下げ光造形機は必ずこの底面を含むトレイを一定量造形したら交換することになってる。ちなみにこの前交換したタンクの底面は光にかざすとこうなっていた。

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この丸い点はサポート材の点で、今回は同じものを何回も造形したせいか劣化が特別早くレジン2Lで交換になった。

1点目もそうだけどこの2点めが本当に曲者で、ARMのときはこの底面との張り付きのせいで歩留まりは20%言ったかいかなかっただと思う。勿論データの配置とかで断面積を減らすとか対策はあるのだけれども、正直コレのせいでかなり造形するモデルの形状を選ぶものだったと言わざるおえない。

Form2はこの点に対する対策が劇的ですごかった。レジンタンクの底面素材自体はARMと見た感じでは変わらないのだけれども、レジンタンク全体を左右に動かして剥がれやすくすると同時に、ワイパーという機構がついて毎回底面を撹拌することで固着を防いでいる。(上写真中央にあるのがワイパー)更にレジン温度を常に30度まで加熱していて安定性を出している。

これらのお陰で今のところ脱落の問題で失敗したことがない。勿論、上側のプラットフォームと土台の造形も工夫されているけれども、それ以上にこのワイパーがきいているみたいだ。

Z方向のズレも、ちょっとどれがどう効いているかわからないけれどもかなり小さい。引っ張られる力が常に一定だからある程度ソフトウェアの段階で補正してしまっているのかもしれない。

 

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ちゃんと中の液、抜けてた

吊り下げ式は3Dプリンターを使ったことがある人であればあるほど印象が悪いみたいで、この前ももう十年以上前から何千万のSLAを導入しているという技工士さんが吊り下げ式かあ〜 と見た瞬間言っていた。ただ同時に、造形物の改善っぷりに驚いてた。正直以前の所謂業務用3Dプリンターの吊り下げ式は見たこと無いからどのぐらいのものだったのかわからないけれども、とにかく吊り下げ式としては現状数百万台のプリンターと変わらないように感じる。

それでも癖があると思うので、しばらく造形を繰り返してまた何か合ったら書こうと思う。

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ものとものに係る仕組みをつくっています。 ゴミとものの間を彷徨います。YOKOITO(@YOKOITO_info)代表 /デジタルファブリケーション/SFC/DMM.makeAKIBAーroom111

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